危険なトランス脂肪酸について
「狂った油」と特にアメリカで、批判が高まっているトランス脂肪酸です。
日本では最近問題になり始めていますがトランス脂肪酸とはどのようなものでしょうか。
トランス脂肪酸とは?
脂肪に含まれる脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
植物油などの不飽和脂肪酸は酸化しやすく扱いにくいという理由から、飽和脂肪酸を製造するために水素を添加し、トランス型にしたものをトランス脂肪酸といいます。
トランス脂肪酸は牛乳や肉に含まれていますが、問題になっているのは人工のトランス脂肪酸で、マーガリン、ショートニング等に含まれています。
トランス脂肪酸と健康について
トランス脂肪酸による健康の問題点は…
- *悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす結果、動脈硬化が起こりやすくなリ、脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高くなる。
- *メタボリックシンドロームと呼ばれる内臓脂肪の蓄積や、糖尿病のリスクが高くなり、高血圧、心臓疾患などのリスクが高くなる。
*認知症になりやすい。 - *アトピーなどのアレルギー症状を起こしやすくなる。
特に欧米では、肥満や糖尿病、いわゆる生活習慣病の原因の一つに、このトランス脂肪酸が大いに関与しているということで問題になっています。
トランス脂肪酸と食品。
トランス脂肪酸の含まれた油を使用することで特にファーストフードなどでは揚げ物などに使用すると、からっとした食感が得られ、長持ちするという理由で多く使われるようになりました。ショートニングは、食感が良くなるという理由で、工場などで作られているビスケット、パン、ケーキ、スナック菓子などに良く使われています。
近年特に欧米で、トランス脂肪酸の健康への悪影響が問題になった為、多くのファーストフードのチェーンでは、健康に気遣っているようなイメージの宣伝も兼ねて、使用する油を、トランス脂肪酸の含まれないものに切り替えるという動きがありますが、国によっては、トランス脂肪酸の使用のパーセンテージの規制をしているところや、表示の義務付けなども行われている場合もあります。
日本では加工食品への使用は、メーカー各社の自主規制がほとんどで、公的に規制はされていません。
加工食品、工場生産の菓子類には、多く使われています。
日本人の食生活は、和食中心の場合には、あまりトランス脂肪酸を口にするということが少ない為、欧米のように問題視されにくい状況ですが、近年、ファーストフード、加工食品、スナック菓子などを、常食にする人も増えており、和菓子よりも、ケーキという嗜好の場合、日本人でも欧米並みにトランス脂肪酸を摂取していることになり、そのような食習慣の人は、生活習慣病、肥満の傾向があります。
加工食品メーカーは、近年は、飽和脂肪酸を使用するというように、切り替えている場合も増えており、この飽和脂肪酸による健康への悪影響は、ほぼ同じものなので、成分表示には気を付けなければいけません。